『主夫』だって『恋』してますけど何か?
「遥先生は・・・・そのままが一番ですよ。
藤堂さんが何を教えたのかは
知りませんけど・・・・。
男が皆、無理矢理迫られて
嬉しい訳じゃないと思います。
むしろ・・・・
もうすぐ30歳になるのに、
純粋なままの遥先生の方が
男は嬉しいですよ。」
俺は遥先生の頭を撫でた。
年齢だしたのはまずいかな・・・・
ただ、馴れてないんだ。
女性の涙・・・。
優さんは絶対泣かないし。
それから・・・・
本気で気持ちを伝えられたの
なんていつぶりだろう。
高校生くらいぶりじゃないかな。
なんか、くすぐったいな。
優さんに夢中になってて
忘れてた感情。
好きだと想われてる喜び。
「ありがとうございます。
遥先生の気持ち
すげえ嬉しいです。」
まだ泣き続ける遥先生に言う。
遥先生なら・・・・
俺が欲しい言葉を言ってくれるし
ちゃんと想っていてくれるんだろうな。
「でも・・・・なんでかな
俺相手にされてないのに
優さんが好きなんです。
俺、夫婦なのに4年間・・・・
夫婦になる前も合わせたら
5年間ずっと片想いなんですよ。
笑えるでしょ?」
遥先生に笑いかけながら言った。
「・・・・・それなら、私だって同じです。
和樹さんの事・・・・結婚したって
知ってたのにずっと好きだったんです。
・・・・・・笑えますか?」
遥先生は、泣きながら俺を
真っ直ぐに見つめて言った。
「・・・・・笑えないですね。」
俺も遥先生を見つめ返す。