『主夫』だって『恋』してますけど何か?


これは・・・・・優さんに好きだと
言って貰えない事に対する
逃げになるのかな。



こんな事したら・・・・
多分もう引き返せなくなるだろ。



そう思いながらも
俺は泣いている遥先生を
抱きしめた。





だめだ・・・・


これ以上はだめ・・・・




抱きしめた遥先生の温もり。


優さんとは違う柔らかな甘い香。


優さんはみせない、女性らしい弱さ。



「・・・・・和樹さん、好きです・・・」

優さんは言ってくれない言葉。



抱きしめた腕を緩めると、
俺を見つめる真っ直ぐな瞳。



「遥先生、俺・・・・・・」



「何も・・・・言わないで下さい!

私・・・・・
和樹さんが奥さんに
愛されていないなら、
私が和樹さんを愛したい。

和樹さんが・・・・
奥さんの事好きなままでも。」


遥先生の頬を伝う涙と
真っ直ぐな瞳が・・・・・・
俺の胸を締め付けた。





まるで・・・・・優さんを好きな
自分を見てるみたいだった・・・・・。





遥先生・・・・・ごめんなさい。



それから、ありがとう。



こんな俺をずっと
好きでいてくれて・・・・・





薄暗かった部屋に、カーテンから
日が差し込み、見つめ合ったままの
俺と遥先生の顔を照らした・・・・



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