『主夫』だって『恋』してますけど何か?


こんな感じで、マリンが産まれ
もうすぐ5年。

俺は『主夫』として
彼女の傍にいる。



じゃぁ良かったじゃんって?


そんな事ありません。


なぜなら、優さんは俺の事
『主夫』としか見ていないから。



好きなんて、俺がいくら言っても
返ってきた事がない。



それに・・・・・

マリンと俺は血が繋がっていないし・・・


本当の父親の事は今だに何も知らない。


もちろんマリンの事は
目に入れても痛くないくらい
可愛いし、本当の娘だと思ってる。


だからこそ、俺は婚姻届を出して
優さんとマリンと
本当の家族になりたいんだ。



「じゃぁ行くわね。」

優さんが立ち上がり鞄を持つ。


俺は息子のカイトを抱いて
玄関まで見送る。


「カイト。行ってきます。」

チュッ・・・

カイトのほっぺにキスをして
玄関を出ていく優さん。


「優さんっ!俺には!?」

慌てて玄関を出た俺。


バタン・・・・・
ブォォォォ・・・・

が・・・・返事はなく優さんは
颯爽と車に乗り込み素晴らしい
勢いで消えていった。

彼女はスピード狂。
助手席に乗ると
いつも冷や冷やする。



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