『主夫』だって『恋』してますけど何か?
「・・・フッ・・・ハァ・・・アッ・・・アッ・・・」
狭い資料室。
沢山ある資料の紙の匂い。
換気など滅多にされないからか
湿っぽい空気。
秋から冬への季節の変わり目で
クーラーも効いていない狭い部屋。
密着している2人の体はは
熱くて着ている服は汗で湿ってきた。
何度も繰り返される息も
出来ないくらい激しいキス。
(・・・・流されちゃダメ・・・)
優は何度も頭の中で繰り返す。
「・・・・何考えてんの?
他の男の事?」
唇が離れた時に低い声で聞いた藤堂。
その瞳は怒りに満ちていた。
(・・・・どうしてそんな目をするの?)
優は藤堂の冷たい瞳から
目を逸らす。
「図星?・・・・余裕だね。
優が・・・・俺の事しか
考えられないように
もっと抱いてれば良かった。」
そう言った藤堂は、
そのまま嫌がる優と体を重ねた。
激しく強く・・・
細い優が壊れてしまいそうな程に。
「・・・・・・・・はじめっ・・・・・」
優の頬に雫が流れる。
「・・・・優、俺の事
嫌いでいいから忘れないで?」
藤堂は優の目元にキスしながら呟いた。
その声は・・・・冷たい声ではなくて
悲しくて消えそうな声だった。