『主夫』だって『恋』してますけど何か?


ガチャッ・・・

誰もいない自分の
マンションに入る優。


体はべたついて気持ち悪い。


直ぐにバスルームへ行き
シャワーを浴びる。


それからミネラルウォーターを
飲んで、ベットに倒れ込む。


藤堂と別れてからの
毎日がこの繰り返し。



藤堂は、毎日無理矢理優を抱く。


残業しなくても昼間に会社の
どこかでで抱かれてしまうし
それならばせめてばれにくい
皆が帰ったオフィスの方がマシだった。



(・・・・茜に幻滅されちゃう。)

優は薄れる意識の中で思った。



----------------

「・・・・やめって・・・・やめてよ・・・」


ハッ・・・

夜中にうなされて目覚めた優。


(・・・・・最悪。
夢の中でまで肇に・・・・)



優は起き上がり水を飲みに
キッチンへ向かう。



「あれ?優さん起きたの?」

寝室のドアを開けると
キッチンの明かりが着いていて
和樹が何か作っている。



「・・・・・何してるの?」


「え?何って朝ごはんを。」


(・・・・いつもこんな時間に
朝ごはん作ってくれてたんだ。)


時刻は4時。
和樹はバーの仕事から
帰って来たばかりだろう。



「・・・・・和樹。」

優は和樹の所に歩いて行き
後ろから抱きしめた。


「・・・・優さん?どしたの?」


「・・・・・何でもない。」

優は和樹を抱きしめたまま目を閉じる。



(・・・・・肇。)

目を閉じて、浮かんだのは
藤堂の顔だった。



<優SideEnd>



< 294 / 532 >

この作品をシェア

pagetop