『主夫』だって『恋』してますけど何か?



家を出たら呼んでいた
タクシーが待っていた。


「待たせてすみません。」


「どうぞ〜。」


タクシーに行き先を告げる。


それからすぐに電話をかける。






優さん・・・・


俺、主夫になる前に思ってた事があるよ。



優さんは・・・・


普段は美人でちょっと冷たい
けれど、触れ合っている時
だけは照れ屋で可愛い。


でも”可愛い”って言葉にして
伝えると、いつも一瞬だけ
悲しい顔をする。



優さんは・・・・・


普段は俺が話しかけても無駄な
会話は一切してくれない
けれど、優しく俺が触れると
甘い甘い声で鳴く。



だからもっと甘い声が聞きたくて
”もっと鳴いて”と言うと
声を必死に我慢しながら何かを
思い出してたね。





優さんは・・・・


休日にソファーに座りながら本を読む。
俺はその隣で優さんの真剣な
横顔を眺めるのが好きだった。



だけどふとした瞬間に・・・・
本を読むのを止めて、何かを
考えながら、とても辛そうな顔をする。



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