『主夫』だって『恋』してますけど何か?
16時30分-----------
「では、また水曜日に。」
「はい。失礼します。」
藤堂が勤める会社。
優の不安は余所に、なんのミスも
なく打ち合わせは終わる。
「私、全然必要なかったじゃん!」
茜は優に笑顔で言った。
「最悪の事態避ける為よ・・・・
今日、もう直帰していいかな。」
「・・・・まじ?
仕事人間のあんたが・・・。
もしかして、体調悪かったの?」
茜は初めて聞いた優の早めの
直帰願いに本気で心配をした。
「・・・・・ううん。
明日からは今までの倍働くわ。」
優は笑う。
「・・・・あんたが倍働いたら
うちらの仕事が無くなるから遠慮しとく。」
苦笑いする茜。
「・・・・優!」
優と茜、部下の4人が会社の
受付を過ぎた所で、いつも冷静な
藤堂が慌てた様子で走って来た。
優達は立ち止まる。
優の部下2人は、いつもなら
”高松さん”と呼んでいる
取引先の藤堂が、社長である
優を呼び捨てにした事に驚いていた。