『主夫』だって『恋』してますけど何か?
「優、ちょっと来い!」
藤堂が優の腕を掴む。
「嫌よ!
用があるならここで言って。」
いきなりで優も驚き、
取引先である事を忘れ、怒鳴る。
「ストッープ!!!
二人とも、ここ会社よ!
今はお互い仕事中!」
茜が今にも言い争いが
始まりそうな、二人を止める。
「「・・・・・・・・・・・・・」」
優と藤堂は黙る。
藤堂が勤める会社は大きく
受付の周りには人が沢山いた。
皆、ただてさえ美男美女で
目立つ二人の突然の衝突に
チラチラとこちらを気にしている。
優と藤堂の昔の関係を知らない
優の部下二人も、不思議な顔で
固まっていた。
「・・・・・すまない。
高松さん、二人で話したい。」
藤堂は掴んでいた優の腕を離し
落ち着きながら言った。
「・・・・仕事の話し以外は断ります。」
きっぱり断る優。
「・・・・・いいから来い!」
結局冷静になりきれずに藤堂は
優を無理矢理連れていこうとする。
「離して!」
優は抵抗し続けた。
「藤堂さん!
私もご一緒させてもらいます。
優、それならいいでしょ?」
仕事の立場でも、友達としての
立場としても、この場を治めたい茜。
いつも冷静沈着な藤堂を知っている
茜はさすがにただ事でないと思い
そう言った。
「笹木野・・・・・解った。
お前も一緒でいい。」
藤堂は了承した。
「・・・・・解ったわよ。
二人は先に帰って。」
優は不服な顔で納得し、
部下の二人に先に帰るように言った。