『主夫』だって『恋』してますけど何か?


「飯出来てますよ!
俺特製チャーハンとわかめスープ♪」


ちなみにおはようございます
なんて言ったけど、今は昼。

マスター夜中まで仕事だから。


「おっ!サンキュー。」

マスターはお礼を言うと対面
キッチンについたカウンターに
座って俺が用意したご飯を食べたした。



マスターは一人暮らし。


生涯独身の旗をかがげ
ているらしいよ。


美人な奥さんに逃げられてから・・・・・



「んっなかなか美味いじゃね〜か!」

俺が作ったチャーハンに
マスターは意外な顔をしている。


「これでも主夫歴4年ですから!」

俺は自慢げに言った。


「逃げて来た癖に良く言うよ!」

マスターは笑った。



別に逃げた訳じゃないって
言おうとしたけど・・・・



昨日、家を出ましたって
いきなり訪ねて来た俺に
マスターは何も聞かず泊めて
くれたからまだ事情を話してないんだ。



マスターは俺と優さんが婚姻届を
出していない事も、マリンが
藤堂さんの子供って事も知らない。



長い人生経験やバーで沢山の
人達の話しを聞いて来た
マスターには、何も聞かずに
人を受け入れる器があるんだろうな。



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