『主夫』だって『恋』してますけど何か?
「・・・・実家に帰ったらここまで
2時間かかるんで、アパート
借りてカイトと二人で
暮していきたいんです。」
「なんで実家じゃダメなんだよ。」
「それは・・・・・」
言うべき?言わないべき?
絶対馬鹿にされるよな・・・・
でもなぁ、ここまで話しといて・・・
「・・・・まっいいや。
このご時世、アパート借りて
子供養えるだけの給料貰える
仕事なんて簡単には決まんね〜ぞ。
別に俺は朝方までいね〜し
しばらくここ使えよ。」
「マスター・・・・・・(涙)」
「うわっ抱き着くな!キモい!
俺はそんな趣味ね〜!!」
「大好きっす♪」
俺はマスターに思い切り抱き着いた。
俺を気持ち悪いと散々罵倒した
マスターは、買い出しがあると
マンションを出た。
あぁぁ〜・・・・
マスターに感謝しなきゃ。
「カイト、俺らホームレス生活
しなくて済んだぞ!」
「・・・・・・う?」
話しかけられ反応だけしたカイト。
やっぱ意味解るわけないよな。
「でもなぁ〜
ずっと居座る訳にもいかないよな・・・」
さっきまでマスターのパソコンで
探していた求人情報を見直す。
「出張子連れホストとか
どう、カイト?」
「あ〜う〜」
カイトはぬいぐるみを抱っこして
よだれを垂らしている。
「カイトお前の可愛さで母性を
くすぐって募金集めるとか!」
「いや〜あ〜あ〜あ〜」
カイトはよだれつきの
ぬいぐるみを俺に投げつけた。
「うわっきたね!
やっぱお前、俺が言ってる意味
解ってるだろ!
1歳で天才か?
ちょっとテレビに出て
稼ごうカイト!!」
半分冗談で半分本気の俺。
天才疑惑のカイトは
そっぽを向いてしまった。