『主夫』だって『恋』してますけど何か?
次の日の朝。
俺はカイトと2人で寝ている
マスターを起こさない様に家を出た。
マスターの自転車を借りて
カイトを背中に背負い、
ダッシュで自転車をこぐ。
「きゃっきゃっきゃっ♪」
カイトは自転車のスピードに
背中で上機嫌だ。
自転車を走らせる事40分
見慣れた風景が見えてきた。
住宅地の陰に隠れる。
「後10分くらいかな・・・・」
時計を確認してそこでじっとまつ。
あっ・・・・
中川さんとミノル君が出て来た。
優さんちゃんとマリン
幼稚園行かせるよな?
・・・・・そう、今俺は
二日前まで住んでいた我が家を
陰から見つめているのだ。
「あっ・・・・カイト
優さんとマリン出て来たぞ!」
俺はばれないように警戒しながら
玄関から出て来た2人を見る。
表情まで解る距離ではないけど
2人が中川さんとミノル君に
挨拶してるのは解った。