『主夫』だって『恋』してますけど何か?


(マリンの事を私に連絡って・・・
やっぱり和樹、本気で家を出たのね)

無表情の優の眉が少し下がる。


「あのっ・・・・!」

気まずそうにしていた遥先生は
優の悲しそうな表情をみて
慌てて口を開いた。



「私と和樹さんの事、疑って
らっしゃるんですよね?
だったら、違いますから!」


「・・・・・けど、和樹がバーで働いてた
最後の日、遥先生と帰って・・・・・」


「・・・・はい、酔ってる和樹さんを
私のアパートに連れていきました。」

遥先生はキッパリと言った。


「ヒュー・・・やるわね遥ちゃん」

茜が驚きながら口笛を吹く。


「でも!何もやましい事は
無かったですから。
私が勝手に連れていって・・・・
告白して、フラれたんです!」

着けていたエプロンを握りしめ
優を真っすぐ見つめる遥先生。


「・・・・そんなの解らないじゃない」

優は遥先生から目を逸らす。


「本当です!
奥さんの替わりでいいからって・・・・
高松さんの替わりに和樹さんを
愛したいって言いました。
ずっと・・・・
ずっと好きだったんです。
和樹さんの事。
マリンちゃんが産まれる前から・・・」

遥先生は優から目を逸らさない。



< 344 / 532 >

この作品をシェア

pagetop