『主夫』だって『恋』してますけど何か?


「和樹さんの事、ちゃんと
見てあげて下さい!

和樹さん、私に言ってました
”替わりは辛いですよ”って・・・・

ずっと奥さんに片想いなんだって。

どうしてですか?
あんなに一途に貴女の事
想ってくれているのに
どうして見てあげないの!?」


「・・・・・・・・・・・・」


遥先生からは和樹を想う気持ちが
とても伝わってくる。



(・・・・先生と一緒になれば
和樹は幸せなのに)

優は泣きたくなった。



「・・・・遥ちゃんごめんね。
それは二人の問題だから。
和樹は遥ちゃんとは何もない。
それでいいんだよね?」

茜は遥先生を宥める様に言った。



「・・・・・はい。
マリンちゃんに誓って
和樹さんとは何もありません。」

遥先生は、小さく深呼吸をして
優に言った。


その言葉に嘘はない。


優がそう思える様に。






--------------


「いやぁ〜
遥ちゃん、大人しい顔して
意外とカッコイイ女だったね!」


幼稚園からの帰り道。

助手席で茜が腕を組み
目をキラキラさせている。


「・・・・・そうね」

優の返事は上の空だ。


(・・・・私、和樹に謝らなきゃ)



和樹が出て行く前の日に
遥先生との事を知り怒鳴った自分。


ちゃんと話しを聞かなかった事を
後悔していた。



(・・・・和樹は自分が肇の
替わりだと思ってたんだね。)

遥先生から聞いた和樹の気持ち。


優の心に深く深く突き刺さった。



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