『主夫』だって『恋』してますけど何か?


「ママ!
凄いね、もうご飯出来たの!」

仕事から帰ってきた優が
晩御飯の用意をしたら
マリン興奮気味にいった。


(・・・・・デパ地下のお惣菜
温めただけなんだけど)

優は気まずそうに笑った。


和樹が出ていって3日。


優は料理が苦手なので
お惣菜を買ってマリンに
食べさせていた。



(・・・毎日これじゃ身体に悪いよね。
やっぱり家政婦雇うかな・・・・・)


お惣菜を美味しいと言って
食べるマリンを見ながら
優は考える。



(けど・・・・家政婦雇っちゃったら
和樹、絶対帰って来ないよね)


優は悩んでいた。


マリンのお迎えと、その後
優が帰るまではお隣りの中川さんに
お願いしているが、ずっと
甘える訳にもいかない。


しかも仕事も今までより早めに
切り上げて帰ってきている。


社長である優は、社員がいる
手前、ずっと甘えてもいられない。


けれど家政婦は雇いたくなかった。



(和樹・・・・どこにいるのよ
遥先生の事・・・謝りたい
それから・・・・・)



「ママ〜、パパとカイトは
いつ帰って来るの?」

ご飯を食べながらマリンが
淋しそうに言った。



4人掛けのダイニングテーブルには
二つ空きがある。



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