『主夫』だって『恋』してますけど何か?


「マリンはパパの事好き?」


「うん!大好きだよ!」

優の質問にマリンは
元気よく答える。


「そうだよね」


(・・・・・マリンの父親は
和樹なんだから。)

優はマリンを見て微笑む。



「ママは?
ママはパパのことすき?」

マリンはクリクリの瞳を
優に向ける。


「・・・・・・・・・・・・」


「ママ?」

返事のない優にマリンは
首を傾げた。



「・・・・・好きよ
パパもマリンもカイトも」


「うん!」

優の返事を聞き、マリンは
満足そうに、またご飯を
食べだした。



(好き・・・・・
これは和樹が望んでる
好きって気持ちになるのかな。

・・・・マリンとカイトと
同じ好きでも)


優は悩む。


マリンに答えた和樹への好きと
今日、遥先生が優に伝えた
和樹への好きは違う気がする。



優にだって好きという感情はある。


ただそれは・・・・


この色が好き。

この柄が好き。

この店が好き。

この食べ物が好き。

この仕事が好き。

家族が好き・・・・・



そんな好きとは違うもの。



そこが優には
とても特別に思えて
理解もできなくて
和樹に言えない。



だから藤堂にも言えなかった。



<優SideEnd>



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