『主夫』だって『恋』してますけど何か?


「で、君はあそこで毎日
何をしていたのかな?」


「いや・・・・その〜・・・」


口ごもる俺と
恐い顔した中年のおじさん。



・・・・・俺、交番に連れて
いかれちゃいました。



「一週間くらい、毎日あそこで
同じ時間に怪しい男が、
赤ちゃん抱えて高松さんの家を
見ながらぶつぶつ言ってるって
通報があったんだよ。」



はい。間違いなく俺です。

怪しかったのは近所の人に
ばれないように、パーカー
被っていたからです。



「高松さんはこの辺じゃ
結構有名な人だからな。
美人だし、金持ちだし。
お前、高松さんの
ストーカーしてるんだろ!」

交番のおじさんは俺を睨む。


「ちっちがいます!!」


4年間ある意味
ストーカーだったけど・・・・・


「じゃぁなんで
毎日あそこにいたんだ!」


「つい最近まであそこで
主夫してたんです僕!」



ダンッ!!

「・・・・・嘘つくなぁぁぁぁぁ〜!!」


ビクゥゥゥッ!!!



うっ嘘じゃないもん・・・(涙)



「身分証明出来る物
今すぐ出しなさい!」


「はい・・・・・」


そうだな、免許証の住所見せれば
名字は違うけど証明になるよな!

ズボンの後ろポケットにある財布を・・・・・



あり?


・・・・・ない(汗)


嘘・・・・・(涙)



「どうした。早く出しなさい!」


「・・・・・忘れました。」


そうだった。
朝ちょっと寝坊したから
財布持たずに慌てて
マンション出て来たんだ。



俺、ピンチです。



「・・・・・・やっぱり
ストーカー決定だな。」

たった今、交番にて
ストーカーと断定されました。



「それって息子まで
前科ついちゃいます?」

カイトの将来が心配になった俺。


「・・・・・赤ちゃんに罪はない。」



ですよね・・・・・



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