『主夫』だって『恋』してますけど何か?
「マスター・・・・
優さん俺の事好きなのかな〜?」
「知らん。」
「冷たいっすよマスター〜」
「万年片想いだったらしいお前が
優ちゃんからキスして貰え
たんだからいいだろ〜がよ。」
フワフワした茶色のくせ毛。
顔は中の上。
基本たれ目。
愛嬌がある顔に性格。
5年前まで俺の店で働いていた
高松和樹(たしか26)の特徴。
こいつは先週まで俺のマンションに
家出したからと身をよせていた。
俺は鷹山憲幸(タカヤマノリユキ)50歳。
あっみんな俺の事、マスターって
呼ぶから忘れてくれてももいいよ。
今日は、仕事がら、昼に起きる
俺に昼飯を作りに来たといって
マンションを訪ねて来た和樹。
でもきっと・・・・・
のろけ話を聞かせたかっただけ。
さっきまで散々優ちゃんの
好きな所や、2人の馴れ初めまで
詳しく聞かされた。
今だって、俺が
”優ちゃんからキス”
って言っただけで思い出したのか
ほっぺにえくぼを作ってにやけている。
こいつ実は女じゃないのか・・・・・
今日の和樹は、バーで俺に
恋ばなをする女の子みたいだ。