『主夫』だって『恋』してますけど何か?


------閉店後


「和樹・・・・・
お前なんか俺に隠し事してんだろ。」


「え?」

突然の質問にキョトンとした和樹。



「・・・・・優ちゃんさぁ。
妊娠してんのか?」


「えぇえっ・・・え??
そっ・・・・そうなんですか?」

明かに動揺した和樹。



「・・・・まさかお前じゃないよな?」


ガシャンッ・・・・!!

「・・・・・・・・・・・・・・・」

無言で固まりグラスを
落とした和樹。



・・・・・まじか?


嘘だろ優ちゃんが和樹と?



「結婚は?」


「・・・あっあの!
俺、結婚したいんですけど
優さんはまだ認めてくれなくて・・・・」


「はぁ?
お前が父親なんだろ?」


「・・・・・・はい!」



初めの間が気になるけど・・・・



「どうすんだよ。
バーの稼ぎだけで優ちゃんと
子供養ってけんのか?」



優ちゃんが勤める会社はかなり大手だ。


そんな彼女の収入は
かなりのものだろう。


それがいきなり若い和樹の
安月給だけになったら
生活水準下がりすぎだろ。


しかも子供にも金がかかるのに。



「がっ頑張ります!」


仕事でも、なんでも頑張りますで
乗り越えようとする、暑苦しい和樹。



「・・・・・結婚ってそんなに
簡単なもんじゃね−ぞ。」

和樹に聞こえるか聞こえないか
位の声で小さく呟いた。





---------------


「マスター!
俺、主夫になります!」


「は?何言ってんだ和樹。」



細い細い、美人な優ちゃんの
お腹だけがボールでも
入れてんのかって感じで丸く
膨らんだ頃に、和樹から突然の報告。



もともとおかしな奴だと
思ってたけど、とうとう
頭のネジ飛んだのか・・・・


俺は物凄く可哀相な顔で
和樹を見つめた。



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