『主夫』だって『恋』してますけど何か?


「優さんから”すき”って
言ってもらえたらなぁ〜
俺、自信もてるのに・・・・」

机に俯せる和樹。



一応旦那なのに、優ちゃんから
”すき”と言われた事がないらしい。


・・・これも普通じゃない。


なんで優ちゃんは言わないんだ?


前にバーへ優ちゃんと
茜ちゃんで来た時・・・・


遥ちゃんがたまたま
(というか和樹いる間は毎日)
一緒になって、優ちゃんヤキモチ
妬いてる様にみえたんだが・・・・



茜ちゃんが幼稚園での和樹の
評判聞いたら遥ちゃんってば
好きじゃなきゃ気付かない様な
和樹の良いところを
沢山言っちゃてさ。



優ちゃんでも、
ヤキモチ妬くんだって驚いた。


和樹は怒ってると
思ったみたいだけどな。



・・・・・・てか、和樹だけ
モテすぎじゃないか?


なんか店の女性客も臨時で働きに
来てた和樹にやたら食いついてたし。



悔しいから和樹には、俺からみた
優ちゃんは教えてやらん!



「マスター・・・・俺
カイト預けれる様になったら
ちゃんと働こうと思います。」

和樹がカイトを見つめる。


「なんでだ。
優ちゃん稼いでるんだろ?」



雑誌とかTVにも出た事
あるくらい注目されてるし。



「藤堂さんに
負けたくないんですよ。」


「ふ〜ん。
まだまあお前も子供だな。」


「なんでですか?
だって今のままじゃ
藤堂さんに勝てない!」

和樹は不安な顔で俺を見る。



「・・・・優ちゃんは
お前を選んだんだろ。」


「でも・・・・」


「お前の取り柄はポジティブだろ。

いつからそんな辛気臭い
顔ばっかする様になったんだ!

あ〜やだやだ。
俺は夜にまた色んな客の話し
聞かなきゃなんね〜んだ!
暗い話しするなら帰ってくれ!」

手で和樹を追い払う。



「マスター〜・・・」


・・・・そんな捨てられた
犬みたいな顔するなよ和樹。



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