『主夫』だって『恋』してますけど何か?
「・・・・お邪魔しました。」
「あ〜!あう〜!」
カイトと一緒に帰っていく和樹。
その顔はまだ暗い。
「あのなぁ和樹。
人と自分を比べたって
何も得るものなんかないんだ。
今のお前は、すんげ〜カッコ悪い。
俺が知ってる暑苦しい男は
どこいったんだろうな。
じゃあな!
気をつけて帰れよ。」
俺の顔を黙って見つめた後
和樹は口元を上げる。
「はい!
ありがとうございました!
また来ます!」
マンションの廊下に
馬鹿でかい声が響く。
やれやれ。
面倒臭い奴。
まぁでも、嫌いじゃないよ。
和樹みたいな男。
優ちゃんは見る目あるよ。
あ〜俺も久しぶりに
恋しようかな。
新しく買ったらしいママチャリを
必死にこぎながら帰る和樹を
マンションの窓から見ながら思う。
「さてと。
今日もお客様の為に
いい酒とつまみを用意しますか!」
俺は伸びをしてから
バーへと向かった。
皆様のご来店、お待ちしています。