『主夫』だって『恋』してますけど何か?
「パパ〜みてみて♪
マリン、パパとママかいたよ!」
娘マリン(5歳)は
幼稚園の夏休み。
「うわ−マリン。
せめて絵の中でくらいママとパパの
手を繋がせてくれないかな・・・・」
マリンの絵の中の俺は小さくて、
大きく書いてある優さんは
腕を組んでいる。
「だってパパとママがてを
つないでるのみたことないもん!」
・・・・・娘にそんな風に思われてる悲しさ。
「パパまた家出しちゃうよ・・・・」
拗ねてみる。
「ダメだよ!
だからマリンがいっしょに
ねてあげてるでしょ?」
・・・・・パパは優さんと寝たいよマリン。
「あきゃ〜きゃっきゃ♪」
「笑うなカイト(怒)」
夏休みでマリンが一日中いるから
昼間も賑やかな高松家。
もうすぐ優さんもお盆で休み・・・・
どこかに旅行とか行けるかな?
でも、もう予約でいっぱいか。
家族でプールとか行きたいな・・・・
優さんの水着姿・・・・
「想像するだけでやばいな・・・////」
優さんに提案してみよう!
♪〜・・♪〜・・♪〜・・
んっ・・・電話だ。
「んげっ!?藤堂肇!!」
ディスプレイに表示された名前に
出るか出ないか迷う。
家出をしてから電話して以来だ。
『優さんと娘をお願いします』
俺が藤堂さんに言ってしまった言葉。
♪〜・・♪〜・・♪〜・・・
「パパでんわなってるよ〜?」
部屋にずっと鳴り響く着信音に
マリンが不思議な顔で近づいて来た。
「あっ・・・・うん。」
マリンの顔を見ると余計に
携帯電話の通話ボタンを押すのを
躊躇してしまう。
♪・・・・・・・
あっ止まっちゃった。
・・・・絶対、優さんとの事だよな。
時間を戻せるなら戻したい。
俺は・・・・・
息子のカイトなんか問題じゃ
ないくらい、絶対的なライバルに
何よりも大切な優さんとマリンを
お願いしてしまったのだ。