『主夫』だって『恋』してますけど何か?
「・・・・やっぱりこんでるわね。」
朝早く出たけど
高速で渋滞にはまる。
サングラスをかけた
優さんがイライラしている。
「優さん、お菓子ありますよ♪
チョコにガムにクッキーに・・・」
助手席でかばんをあさる。
「・・・・遠足みたいね。」
「え?旅行の楽しみの
一つじゃないですか♪」
「・・・・・女みたい。」
「え〜?男だって
お菓子買いますよ!」
「どうでもいいけど。」
「で優さん♪
何食べたいですか?」
「・・・・ガム。」
「はい♪」
包みから出して
優さんの口元に差し出す。
「・・・・・・・・・・・・」
あれ?
そのままパクッといって
ほしい所だったのに。
優さんは口元にあるガムを一回
手に持ってから口に入れた。
今回の旅行で俺は優と
ラブラブになりたい!
ライバルのカイトは車では
チャイルドシートで
おとなしくしてるしね!
「帰りに和樹の実家による
つもりだけど、この調子だと
かなり早めに宿を出ないとね。」
スピード狂の優さんに渋滞は
つまらないのか自分から
話しをしてくれる。
「別に寄ってかなくても
いいですよ〜
正月にも会ったし。」
お正月はだいたい俺の実家で過ごす。
「・・・私嫌いじゃないのよ
あんたの実家。」
そう言った優さんの横顔は
サングラスで表情が読み取れ
ないけど口元は上がってる。