『主夫』だって『恋』してますけど何か?
「ん〜!いいところですね♪」
車を降りて背伸びをする。
家を出て6時間くらいで
山の中にある旅館に着いた。
「いらっしゃいませ。
遠い所よくお越しくださいました。」
旅館の入り口からわざわざ
車まで着物を着た仲居さん達が
やってきて挨拶してくれる。
「荷物お持ちいたします。」
トランクから出していた荷物を
仲居さんが持ってくれる。
「あっ・・・・重いからいいですよ。」
ニコッ「大丈夫ですよ。」
女性の仲居さんは軽々
荷物を運んでくれる。
仕事だもんな〜
華奢そうなのにすげ〜
「・・・・いくわよ。」
仲居さんを尊敬の眼差しで
見ていたら、優さんがちらっと
俺を見てからカイトを抱いて歩いて行く。
「あっはい!」
なんか今優さんに
睨まれた気がする・・・
マリンと手を繋いで
優さんの後を追った。
「パパ〜プールあるかな?」
旅館に入るとマリンはプールを
探してキョロキョロしている。
「・・・・プールはなさそうだね。」
外観も風情ある旅館だと
思ったけど、中も大人向けの
落ち着いた造りだ。
高そう・・・・
「え〜!プール〜」
風情なんて関係ない子供の
マリンは不満の声を漏らした。
「近くにお子様向けの
アスレチック広場がありますよ。」
近くにいた仲居さんが
笑顔で教えてくれた。
「ありがとうございます。」
アスレチックか・・・
海も近くになさそうだし、
これは優さんの水着姿は
見れなさそうだな。
行き先を聞かずに盛り上がっていた
俺とマリンは勝手に水着を
荷物に入れていた。