『主夫』だって『恋』してますけど何か?
優さん俺が目を逸らしてた事
怒ってるのかな・・・・
隣の部屋でカイトを寝かしつける
優さんをちらっと見る。
カイトを見つめる優さんの顔は
母親で、普段の冷たさは全然ない。
男の俺にはない
母性がそこにはあって・・・
主夫としてちょっとだけ
優さんが羨ましくなる。
男の俺が・・・
主夫のままでいいのかな。
机に俯せながら優さんと
カイトとマリンを見つめた。
カイトが眠ったのか、優さんが
こっちに戻って来て、部屋の
間の襖をそっと閉める。
「・・・・こんなにゆっくり
家族で過ごすの久しぶりね。」
俺の隣に座り、また
お酒を飲む優さん。
「・・・・はい。ありがとうございます。
こんなにいい旅館にしてくれて。」
「うん。こんな時くらいね。」
普通の家庭なら、きっと逆の立場。
共働きも多い今の世の中で・・・・。
優さんに稼いで貰って、
ただ家事をこなす毎日。
俺、このままでいいのかな。
時間があるから考えてしまうのか
急に沸き上がる不安。
「和樹・・・・いつもありがとう。」
「・・・・え?」
突然どうしたんだろう。
優さんは酔ってきたのか
ほんのりと紅い。