『主夫』だって『恋』してますけど何か?
「・・・・本当はバーテンの仕事
続けたかったんじゃないの?
だけど・・・主夫してるから。
マリンもカイトも和樹がいるから
ちゃんと元気に育ってる。
私これでも感謝してるのよ。」
トックリに入ったお酒を
揺らしながら優さんは言った。
ずるいや優さん。
このタイミングで
そんな事言うなんて。
「優さん、俺・・・・
やっぱり自信ないんです。」
つい出てしまう本音。
「・・・・何が?」
少し考えてから聞き
返してきた優さん。
「このままでいいのかなって。
家事をこなすのも、マリンと
カイトの世話も嫌じゃないんです。
でも・・・俺、男なのに
専業主夫で・・・・」
カッコ悪いよな。
「和樹・・・・
私は家事も子育ても
凄い事だと思うのよ?
毎日、毎日、当たり前の事を
しているかもしれない。
でもその当たり前がなかったら
家族って成り立たないでしょ?
・・・私には父親がいなかった。
母親はいたけど、和樹みたいに
傍にいてくれなかった。
だから、マリンとカイトには
同じ思いはして欲しくない。
ちょっと前までは・・・・
家政婦でも同じだと思って
来たけど、和樹が家出して
気付いたって言ったでしょ?
あなたじゃなきゃダメなの。」
そういって座っている俺を
横から抱きしめてきた優さん。