『主夫』だって『恋』してますけど何か?


「・・・・・/////」

・・・・・これは本当にズルい。


横顔に優さんの胸が当たっている。


俺に主夫させる為に
わざとしてるのか?



色んな事考えるけど・・・



結局胸に意識が集中してしまう。



「和樹・・・・」


バタンッ・・・・・


「優さん!?」



ありえない・・・・


俺は優さんに押し倒された。



「・・・・・ごめんね。
いつも我慢させて。」

俺の耳元で言った優さん。



それはどっちの我慢ですか!?



主夫?それとも・・・・?



俺の頭は真っ白。



優さんに押し倒されたのは
初めてです。



俺の胸元に頭を乗せて
じっとしている優さん。


細い腰に手を回して抱きしめた。



「・・・・昔ね、まだお父さんと
一緒に住んでた時、こうやって
上に乗っかるの好きだったの。」

優さんがポツリポツリと話し出す。



「マリンくらいだった私には
大きくて暖かくて、大好きだった。」


「・・・・はい。」

優さんの声が弱々しくて
思わず頭を撫でる。



「・・・・いなくなってからも
ずっと好きだった。




いいな・・・優さんのお父さんは
好きってハッキリ言われて。



「それからね、中学生の時に
街でお父さん見かけたの。
ずっと会いたかったから
嬉しくて嬉しくて・・・

でも・・・・近づくとお父さんの手は
知らない女の子の手を握ってて
その傍には知らない
綺麗な女の人がいた。」



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