『主夫』だって『恋』してますけど何か?


ギュッ・・
優さんの手が俺の肩を掴む。


「馬鹿みたいよね。
ずっと好きだったのは私だけ。

お父さんには新しい家族が
出来て幸せそうだった。

もちろんお母さんは私を
ちゃんと大事にしてくれたわ。
でも・・・・
寂しかったし悲しかった。」

初めて聞く優さんの弱音。



俺ちゃんと優さんの事知りたい。


相槌の変わりに優さんを
抱きしめる力を強めた。



「お父さんがいなくなった
理由を知ってから、私は
男の人が嫌いになったの。

私の事知りもしないのに
好きだって言ってくる人沢山いたわ。
その度に・・・
お父さんの事思い出した。

どうせ付き合っても
いなくなるって思ってたのよ。
男に恋愛感情を
抱くこともなかった。」



前にも言ってたな・・・・
男が嫌いな理由。

優さんの昔のトラウマ・・・・・



「そんな事思ってるうちに
好きとかそうゆうの
解らなくなっちゃって。

父親への好きと恋愛の
好きは違うんでしょう?」


「ん−・・・どうなんでしょう・・・・。
俺、男だし・・・・
物心ついた頃には
好きな子いた気します。」



好きの違いなんて
深く考えた事ないな・・・



「・・・・そっか。
和樹は私のどこを好きになったの?」


「前にも言ったけど全部です!」


自信満々に答える。



「・・・・全部って。
嫌なとこはあるでしょ。
だいたい私優しくないじゃない。」


自覚して俺に冷たく
してたの優さん(涙)



「冷たいですけど・・・・
だからこそ、たまに優しく
されたりするとスゲー嬉しいし
マリンやカイトに見せる
表情は優しいから・・・・

それに、優さんの役に
立てる事が好きかな・・・
役に立ってるかはわかんないけどね。

全部自己満足かもしんないけど
出会った時の優さんは凄く
孤独な目をしてたから・・・・

俺の力じゃなくてマリンや
カイトだろうけど、今は
優さん孤独な目してないんだ。

そんな優さんの変化を見るのも好き。」



何てったってストーカー疑惑
かけられちゃうくらいの俺ですから。



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