『主夫』だって『恋』してますけど何か?
「クスッ・・・私の変化ってなによ。
私そんなに変わった?」
「ほら今とか!
つい最近まで、俺にはそんな笑顔
向けてくれませんでしたよ。」
俺の胸元に頭を乗せていた
優さんは今、顔を俺に
向けて笑っている。
「・・・・・・・////
だから・・・・
男を信用してなかったの。」
優さんは恥ずかしそうに
顔を俺の胸元に隠した。
嬉しいんだけど・・・・
「じゃぁ藤堂さんと
なんで付き合ったんですか?」
ずっと俺の胸の奥にあった疑問。
「・・・・・軽蔑しない?」
「・・・昔の事でしょう?」
「・・・・うん。」
ちゃんと知っておきたいんだ。
男嫌いの優さんが唯一
付き合った人の事も。
「・・・・始めはね、無理矢理だったの。
無理矢理、肇に抱かれた。
それまで男と付き合った事
なかったし、肇は良い先輩
だったからショックだった。
余計・・・・男が嫌いになった。」
無理矢理・・・・あの野郎(怒)
「それから何度も肇と
身体だけの関係もった。
そしたら、段々嫌じゃ
無くなってきた自分がいて・・・・
そんな時に肇から告白されたの。
返事を考える余裕なんて
もらえなくて付き合う事になった。」
やっぱり強引な奴。
それだけ自信があったんだろうけど・・・
今だって自信満々だしな。
「でも・・・楽しかったの。デートしたり、お互いの
マンション行き来したり・・・
肇は私が考えてる事
だいたい解ってくれる人で
一緒にいて楽だった。」
優さんが考えてる事
解ってくれる・・・・
俺には・・・解らないのに?
「それに多分私、寂しかったのよ。
男が嫌いって思ってたけど
誰かに抱きしめて欲しかった。
だからそれを与えてくれた
肇の温もりにいつの間にか依存してた。
肇が傍にいるのが当たり前に
なっちゃって・・・
すっかり男嫌いの理由、
忘れてた時に別れ話。
別の女が妊娠したからって。」
・・・・その日に俺と優さんの
関係は始まったんだよな。