『主夫』だって『恋』してますけど何か?
「優さん、だ〜い好き!」
繋いだ手をちょっと上に上げて
優さんに満面の笑顔を向けて言った。
「うん・・・知ってる。」
照れながら冷たく言った優さん。
「パパ!マリンは?」
優さんの隣からマリンが顔を覗かせる。
「マリンもカイトも大好きだけど
パパはママが一番好きなの!」
「え〜ダメだよ!
マリンじゃなきゃやだ〜!」
怒るマリンを優さんと
笑いながら宿に帰る。
優さん、家族っていいですね。
きっと優さんとじゃなきゃ
こんな風に考えたりしなかった。
孤独を知ってる優さんとだから
あったかい家庭をつくれます。
俺は・・・・・・
この旅行が楽しくて、幸せすぎて・・・・
婚姻届を出していない事なんて
すっかり忘れてた。
まさかこの一ヶ月後に婚姻届を
出していない事がきっかけになり、
家庭に大変な事態を招く事に
なるなんて、この時の俺は
何も知らずにただただ浮かれてた。