『主夫』だって『恋』してますけど何か?
そんな義樹は年上キラー。
喰った女の数は
数え切れない程らしい。
ちなみに・・・・
俺は優さんに出会うまで
付き合った彼女はほとんど
コイツに喰われたと言う
痛い過去がある。
だから優さんを家に連れて来た時
義樹の中に獲物とインプット
されたのは直ぐに解った。
だけどマリンが産まれたばかり
だったし、実家に帰るのは
正月とお盆だけ。
俺の家と実家は気軽に行き来
できる距離でもなかったし
義樹の留学もあったから
今の所大丈夫だったのだ。
義樹・・・・
頼むから優さんだけは止めてくれ。
優さんの隣に居座る
義樹を睨みながら思った。
「今日、優さん
泊まっていかないの?」
義樹が必殺上目遣いで
優さんに聞く。
「うん。あさってから仕事だから
明日は家でゆっくりしたいの。」
全く動じてない優さん。
そうだ・・・・
優さんは鈍感なんだ。
ちょっとだけ安心する。
「家でゆっくりしてけば
いいじゃん!」
しつこい義樹。
「そうよ優ちゃん!
たまにしか会えないんだし〜」
便乗する母さん。
「いや・・・ご迷惑になりますし。」
遠慮する優さん。
「普段からこんなんだから
4人増えても変わらないわよ!」
「母さん、こんなうるさい家じゃ
優さんゆっくり出来ないから!
今日帰るよ!」
俺は子供達で騒がしい部屋でも
聞こえるように大きな声で言った。
「そう・・・・寂しいわね。」
目を伏せ悲しい顔をした母さん。
「・・・・あのっ迷惑でないのなら。」
「優さ・・・「あらそう♪みんな〜
今日優ちゃん泊まるって!!」
「「「やったぁ〜♪」」」
優さん騙されちゃダメって
言おうとしたけど遅かった。
母さんは悲しい顔で
何かを頼むのが昔から上手い。
最悪だ・・・・・
義樹がいるのに実家に泊まるなんて。