『主夫』だって『恋』してますけど何か?


「そういや和兄!
さっき小夜子さんに会ったよ。」


皆でワイワイしていたら
義樹が急に発した名前。



「小夜子ってさよちゃんか〜
懐かしいね。今何してんの?」

桃姉が興味を示す。


「なんか雑誌の編集の
仕事してるって。
多分和兄の家の近くだよ。」

義樹が怪しく微笑んで俺をみた。


「・・・・別に今は関係ないし。」

俺は義樹から目を逸らし言った。



「小夜子さんって・・・?」
ずっと黙っていた
優さんが俺に聞いた。


「和樹の初めて
付き合った彼女だろ?
たしか、義樹に寝とられた。」


「友兄!
子供の前でなに言って・・・」

マリン達と遊んでいた筈の
友兄が爆弾を落とすから
慌てて止めようとした俺。



「和樹君・・・・可哀相に。」

桃姉の旦那の悟さんが
哀れんだ顔で俺を見た。



「そうそう!
さよちゃんと純粋に1年間も
手を出さずに愛を育んでたのに
中2の義樹に寝とられて・・・・
あの時はさすがに私も
和樹に同情した!」


桃姉まで・・・・
子供の前だから。


しかも超ダセーから優さんに絶対
知られたくなかった過去のに。



優さんを見ると目があい、
直ぐに逸らされた。



< 449 / 532 >

この作品をシェア

pagetop