『主夫』だって『恋』してますけど何か?


「えぇ!?和樹、高松さんとも
知り合いな訳?」

小夜子が驚きながら
俺と優さんを交互に見る。



「・・・・和樹は私の夫です。」

優さんが小夜子を見て言った。


「・・・・・・・嘘ぉ。
こないだお盆休みにたまたま
義樹に会って、和樹が結婚して
子供いるって聞いたけど・・・・・

高松さんだったの!?」

かなり驚いたらしい小夜子が
俺の肩をバシバシ叩く。


「小夜子痛い!」

俺は思わず小夜子に訴える。


「あぁゴメン、ゴメン!
ビックリしちゃって!」


「・・・・・・・・・・・・」


そんな小夜子と俺を優さんが
不安気な顔で見ていた事なんて
気付かなかった。



気付いていたのは・・・・・
悔しいけど、藤堂さん
だけだったんだ。





忘れたい思い出との再会。







ねぇ優さん。



過去は変えられないよって
言ったのは俺だったね。

でもその時、優さんに俺が
教えてあげたかった事があったんだ。


”過去は変えられないけど、
今は変えられる”って事。



まだ優さんに好きって
言われてない俺には言う
資格がないって思ったから
言わなかったんだけど。



もう少し、優さんとの今を
変えてから、教えてあげようと
思ってたんだ。



でも結局、優さんにそれを
教えるのは俺じゃなかった。



俺は体も年齢も大人だけど
中身は全然大人じゃないって・・・・



隣で優さんを見つめる人に
後々思い知らされる。



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