『主夫』だって『恋』してますけど何か?


ギュウッ・・・!

「優さん?」

優は和樹に抱き着く。



(・・・・私、ヤキモチ妬いてるんだ。)

やっと気付いた優。



「・・・・倉野さんは
マスコミ関係者だから。」

ボソッと言った。


「・・・・マスコミ関係者だと
何がダメなの?」

和樹は優に抱きつかれた事に
喜びながらも聞き返す。



「もし、和樹と私が婚姻届を
出してない事や、マリンが
肇の子供って知ったら・・・・
面白可笑しく記事に
されるかもしれない。

・・・・私が社長なんかじゃ
なければ良かったの。

雑誌にもテレビにも顔を
出してる以上、もしそんな事が
どんなに小さな記事でも世間に
出されたら、会社に
迷惑かけてしまうから・・・・。」

優はちゃんと話しをした。



「・・・・・優さん、倉野さんは
そんな娘じゃないよ。」

和樹はまた小夜子を庇う。


「・・・・・和樹、人をそんなに
信用しないで。
あなたは知らないのよ。
社会の厳しさ。

彼女は出世思考がきっと高い。
上に認めて貰うためには読者が
食いつくネタが沢山必要なのよ?」



(・・・・和樹、お願い解って・・・)


優は和樹が庇う小夜子への
嫉妬心を抑えて、出来るかぎり
落ち着いて言ったつもりだった。



< 498 / 532 >

この作品をシェア

pagetop