『主夫』だって『恋』してますけど何か?
「はぁ・・・・・・もう僕
帰らせてもらいますね。」
早く帰ろう。
優さんもそろそろ起きる頃だし・・・・
「あの・・・カイト返して貰えますか?」
手を伸ばすが中川さんは一人掛けの
ソファーに向かいその上に
カイトをゆっくり置いた。
「・・・・嫌です!帰らないで!」
ギュッ・・・・・
まるでドラマのワンシーンみたいに
中川さんは俺に抱き着く。
あぁ・・・・ちょっとちょっと
カイトソファーから落ちたら
どうすんのさ!
もう自分で歩けちゃうのに!
「離れて下さい!カイトが・・・」
とりあえず中川さんを
引き離そうとする俺。
「・・・・・奥さんと、
上手くいってないんでしょ?」
「え?なんで・・・・・・・」
知ってるのかって
聞こうとしたけど止めた。
認めたら虚しくなるでしょ?
けど中川さんは俺が
聞こうとした事に答えてくれる。
「よく朝、悲しそうな顔して奥さんが
仕事行くの見つめてるじゃない。」
・・・・・確かにカイトだけにしか
キスしてくれないから
見つめてると言うか、
物欲しそうな顔はしてたかもな。
「お布団干してる時だって、
布団に抱き着いて一人で奥さんの
名前呼んでるし。」
そうそう、布団に残ってる
優さんの香が嬉しくて・・・・・
あぁ俺って変態・・・・
「って・・・何でそんな事
知ってるんですか!!」
俺は真っ赤になりながら叫んだ。