『主夫』だって『恋』してますけど何か?


「ごめん、お待たせ。」

30分も待たずして、
藤堂さんがやって来た。


「ちょっと早いけど、
昼飯一緒にどお?」

ベンチに座っていた
俺に笑顔で聞いてくる。


女の子はみんなこの
笑顔にやられるんだな。


「はい。」



ただ今、11時過ぎ。

藤堂さんは俺の為に昼休憩を
早めにとってくれたみたいだ。



「いらっしゃいませ」


百貨店内の喫茶店に入り
まだ満席でない店内の
4人掛けのテーブルに
2人で向かい合い座る。

カイトは最近暴れるから俺の膝の上。


なぜか藤堂さんをじっと眺めている。



「で、話って何?」

藤堂さんはカイトに笑いかけ
俺を見つめた。



「・・・・あの、どうやったら
優さんの考えてる事が
解りますか!?」


「・・・・・・・え?」


俺の質問に呆気にとられたらしい、
藤堂さんらしからぬ
表しぬけした返事。



「・・・・いや、あの・・・だから・・・・」


なんだか恥ずかしくなって吃る。



「・・・いや、聞こえてたよ。
まさか俺にそんな事聞いてくる
なんて思ってなかったから驚いて。」


そりゃそうだ。
藤堂さんはライバルなんだから。



「・・・すみません。
情けないとは思うんですが俺
優さんが考えてる事が
ずっと解らなくて。」


「まぁ、優は口数少ないしな。」


「でも藤堂さんは優さんの
考えてる事だいたい
解ってたんですよね!?
前に優さんが言ってました。」


「・・・・優がそんな事言ってたの?」


「・・・・はい。」



藤堂さんは何か考えているのか
少し黙った。



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