『主夫』だって『恋』してますけど何か?
藤堂さんは少し考えた後
軽く笑って口を開く。
「和樹君はさ、優と過ごした
時間が短いだけなんじゃない?」
優さんと過ごした時間?
「・・・・でももう
6年近く一緒にいます。」
それは藤堂さんより長い筈だよ。
「前にも言ったけど、
仕事一緒だとさ、
家族よりも長い時間
一緒にいるんだ。
それが仕事人間の優なら尚更
家にいる時間は短いと思う。
和樹君は、寝る時間除いて
一日にどれくらい優と一緒にいる?」
寝る時間除いたら・・・・
朝の1時間と・・・
夜は良くて3時間、短ければ
玄関でお帰りって挨拶するくらい?
「・・・・1時間から
4時間くらいです。」
「だろうね。
しかも、ろくに会話もないんだろ?」
「・・・・はい。
基本的に俺が一方的に
話しかけてます。」
お盆休みだけは違ったけど。
「そうゆう事。
俺は優と会社で最低でも8時間、
残業いれたら長くて12時間くらい
休みの日以外一緒にいて、
毎日優を見てきた。
付き合ってた2年間は、
ほとんど毎日、
一緒に過ごしてたんだよ。
和樹君と優がどうゆう時間を
過ごしてきたかは知らないけど
俺は優の事ずっと考えてた。
そこには子供もいなかったから
余計にね。
和樹君は優だけじゃなくて
2人の子供の事も考えて
なきゃいけないだろ?
仕方ないんじゃないかな。」
藤堂さんの冷静な分析。
確かに・・・・
マリンが産まれる前に
過ごした時間は1年くらい。
しかも、バーで働いてたから
一日一緒にいる事なんて
滅多になかった。
マリンが産まれてからは・・・・
お互い初めての子育てに
てんやわんやで・・・
馴れた時には優さんは会社を
企業して大忙しの毎日。
2人で過ごした時間はすげえ短い。