『主夫』だって『恋』してますけど何か?


「優にも言われたかもしれないけど
倉野さんには十分に気をつけてね。」


・・・・藤堂さんまで・・・



「・・・・どうしてですか?
確かに優さんにも言われました。」


「・・・・どうしてって。
優は説明しなかった?」


「してくれましたけど、
納得できませんでした。
小夜子がマスコミ関係者だからって。」



「・・・・・和樹君は倉野さんの事
まだ好きなの?」


「違います!
友達だから信じたいんです。」



「・・・・あのさ、和樹君。
そんなんじゃ優の
旦那でいられないよ。
解ってる?優の立場。

ただのその辺の女じゃないんだ。

マスコミにも顔が知れてるし
何人もの社員を背負ってる。

人の噂や評判ってさ、たまに
スゲー破壊力持ってるんだよ。」

真剣な顔をする藤堂さん。



「・・・・でも小夜子は・・・・」

まだ納得できねぇよ。



「ちゃんと、守らなきゃ
いけないものの順番考えた
方がいいと思うよ。

何のために俺が最近大人しく
してたと思ってるんだよ。」



「何のためって・・・・
優にさんに本気だから、
真面目に働いてたんじゃ・・・」


「俺が真面目に働いてたって
優は仕事がやりやすいだけだ。

和樹君が俺にマリンちゃんの事
教えてくれた時、気が動転して
会社だったのに優と
言い合いしたんだよ。

それを見てた社員が興味本位で
噂して、俺達の過去調べたりした。

だから今下手に動くと、
優の会社と取引中止になる
場合だってある。

今は過去にしておく事
しか出来ない。

俺の軽率な行動のせいだからね。」


そう言った藤堂さんは
困った顔をした。



< 507 / 532 >

この作品をシェア

pagetop