『主夫』だって『恋』してますけど何か?
コンコンッ・・・!
リビングの窓を叩く音がして
振り返ると庭に、浮気の根元である
中川さんがミノル君と立っていた。
「あっミノル君だ〜♪」
気付いたマリンが窓にかけていく。
「マリン!お願い!開けないで!」
そんな俺の願いは空しく、
マリンは鍵を下ろして窓を開く。
くそっ4歳は何でも出来て困る。
まだ自分じゃ何もできない
カイトがとても可愛く見えた。
「高松さ〜ん!
奥さん出て行ったみたいだけど
大丈夫でした?」
甘い声を出しながら
心配そうに聞く中川さん。
大丈夫じゃねぇよ!!
内心はそう思いながら・・・・
「仕事に行っただけです。」
作り笑顔で返した。
「そう!良かった♪」
ニコニコ笑う中川さん。
何が?何が良かったわけ?
「お邪魔しま〜す♪」
なぜか勝手に上がってきた中川さん。
そして俺の耳元に
顔を近付けて言った。
「私ね、夫とは別れたり
するつもりはないの。
でも、高松さんの事は好きよ。
続き・・・・・
平日にでもしましょうね♪」
うふ♪って笑いながら
帰って行く中川さん。
「・・・・・・・・・・・」
ビックリしすぎて固まったままの俺。
「パパ、ミノル君のママと
ないしょばなしした〜!
あやしい〜!」
マリンが疑惑の目を
俺に向けながら叫ぶ。
やばい・・・・
・俺は最悪な相手に
手を出したのかもしれない。
(未遂だけど)
下手したら
一生お隣りさんなのに・・・・・
どうしよう!どうしようか!?
「カイト〜!!どうしよう!」
「んだっ・・・・あ〜・・む〜」
ただ笑ってるだけのカイト。
「パパへんなの〜!」
不思議な顔で俺の事をみた後
何事もなかった様に
人形と遊びだしたマリン。
きっとマリンは中川さんと俺が
どんな関係になりかけたかなんて
解ってない。
ただ無邪気に見たことを
優さんに言っただけだ。
とにかく・・・・
とにかく、優さんに謝らなくては!!