『主夫』だって『恋』してますけど何か?


そしてもう一つの憂鬱。


「おはようございま〜す♪」

お隣りに住む・・・
メヒョウこと中川さんの奥さん。
今日も憎いくらいに明るい。


「・・・・・・・・これ。」

俺は昨日、優さんが踏み付けた
ピアスを中川さんに渡す。


「あ〜!
昨日帰ったら片耳なくって
ショックだったの〜ありがとう!」

喜ぶ中川さん。



わざとじゃなかったんだ・・・・

実は疑っていた。



「これ、主人からのプレゼントだから
無くしたら困るモノだったのよ♪」


「そんな大事なモノ、わざわざ家に
落として行かないで下さい!
それのせいで俺は・・・」



優さんに更に
嫌われたじゃないかよ!!!


って言いかけそうになったら
幼稚園のバスが着いた。



「おはようございます!
マリンちゃんにミノル君おはよう!」

遥先生の明るい挨拶。


「「おはようございます!」」

マリンとミノル君が
挨拶しながらバスに乗り込む。


ウィィ・・・・

ドアが閉まったと同時に・・・・


俺はカイトを抱っこしたまま
家へ駆け込んだ。



「あ〜高松さん!?」

中川さんの声が僅かに聞こえたが
そんなの無視無視!


もう絶対二人きりにはならない!


ガチャン!

鍵に、チェーンもかけた。



「ふぅ・・・・・」

これから毎日こんな事
しなきゃいけないのか?


まだ引っ越してきて
3ヶ月だけど・・・・


今すぐ、引っ越しがしてぇ〜!!



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