『主夫』だって『恋』してますけど何か?


車を下りて、公園に入る。

入り口から真っ直ぐの場所にある
ベンチに座る人影。


直ぐに優に気付き立ち上がる。


「よかった。来てくれて。」


優がベンチに近付いて行けば
安心した様な声が聞こえた。



「どうせまた、仕事に集中して
俺との約束忘れてたんだろ。」


「・・・・・留守電に断り入れたじゃない。
当日だったけど・・・・」


「俺は当日キャンセルは
受け付けません」

藤堂はクスリと笑う。


「・・・・・肇
私がこのまま来なかったら
ずっと待ってる気だったの?」


「もちろん。
優は来てくれるって思ってたし。」

そう言って藤堂は
嬉しそうに笑った。



(・・・・・あの時と同じ言葉。)

優は目を伏せた。

昔、待ち合わせをした時も
藤堂はずっと優を待っていたから。



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