『主夫』だって『恋』してますけど何か?
カランカランッ・・・
扉を開くと来店を知らせる
心地好いベルの音が店内に響く。
「へぇ・・・・
いい感じの店だな。」
優が連れてきた店に入るなり
藤堂は感想を述べた。
優が藤堂を連れて来たのは
和樹が勤めていたバーだった。
年代物の机や椅子で統一された
落ち着いた大人向けのバー。
「優ちゃんいらっしゃい。
・・・・カウンター座る?」
バーのマスターは常連客の優に
笑顔を向けた後、後ろに着いて
入って来た藤堂を見て
一瞬驚きながら聞いた。
「はい、おねが・・・・」
「出来ればカウンターでは
ない方が嬉しいです。」
マスターの問いに
答えようとした優を遮り藤堂が答えた。
「・・・・承知いたしました。
あちらのテーブル席へどうぞ。」
マスターは少し悩んだが藤堂に
微笑むとバイトに案内させた。
(なんだ、凄い美男子だな・・・
和樹の何倍も
優ちゃんとお似合いだ。)
マスターはカウンターから
少し離れたテーブル席に座る
優と藤堂を見ながら思った。