『主夫』だって『恋』してますけど何か?
しばらく頼んだサラダなんかを食べ
藤堂の話しに耳を傾ける。
藤堂は様々な知識があり
昔から面白い話しをする。
(・・・・よかった。
この店にして。)
優は藤堂の笑顔を見ながら
そう思った。
(きっと肇との思い出が
詰まったあの店で食事してたら
昔みたいに笑ってたかもしれない。)
藤堂の話しはその辺の社長達より
何倍も知的で興味心を煽られる。
さすが営業をずっと
しているだけはある。
こうやって2人で食事をしていたら
昔に戻ったようだった。
「優・・・左手出してくんない?」
軽食を食べ終え、ウェイターが
皿を片付けた後、突然藤堂が言った。
「なんで?」
優は言うことは聞かずに
怪訝な顔で聞き返す。
「いいから。」
垣内は微笑む。
優は怪しみながらも
左手を出した。