あいしてる。
最終章
*18
『陽斗、』
お墓に着いた途端、涙が出てきた。
言いたいことがたくさんあるのに、うまく言葉がしゃべれない。
『は、ると。………なん、でいなくなったの?あたし、ずっと、待ってたんだよ?』
陽斗、あたし今でも陽斗が好き。
“俺はあいしてる”
不意に聞こえてきた言葉は、陽斗の声だった。
姿は見えないけれど、声ははっきり聞こえた。
あたしが作り出した妄想とか、幻想かもしれない。
それでもあたしは会話を続ける。