世界を壊すのは
01話 悪霊退散
ここは、島で一番大きな権力を持つと言われるアルビス家。
今日もアルビス家は平和……だ。
「ウォォォォ!」
物凄い雄叫びと共に、屋敷中のガラスが一瞬にして割れ、飛び散った。
「ガルルッ……」
その飛び散ったガラスの破片の上に立つ、いシルエットは、悪魔。
まぁ、悪魔とはいえど、一番弱い下級悪魔なのだが。
「やれやれ……またですか」
悪魔の後ろから呆れ返ったような声。その声の主は、この屋敷の専属の執事であるセンリのものであった。
「静かにしてもらわないと困るんですよ。お嬢様が起きてしまう」
壁に寄り掛かって余裕の表情で言うセンリに、悪魔は激怒した。
「グオオオオッ!」
センリの頭を掴みに掛かるが、呆気なく食い止められてしまう。しかも、片手で。
「グルァァァァ!」
まるで馬鹿にされているかのように、それは一切動かなかった。それでも尚、悪魔は暴れ続ける。それを見て、センリは溜め息を吐く。
「往生際が悪いですね……」
センリのもう片方の手がポケットから“悪霊退散”と書かれたお札を取り出し、それを瞬時に悪魔の頭に投げ付けた。
「グオオオオ……! ガルルッ……ガルル……」
すると驚いたことに悪魔は白い煙となり、割れた窓から出て行った。
「ふぅ、片付きましたか。全く困りますね毎日毎日……」
そう言ってセンリは、悪魔が出て行った窓に目をやる。
「彼女から預かったものが、役に立ちましたね」
そう、今センリが悪魔に向かって投げ付けたお札は、ある人物からの貰い物。
「おや、そろそろお時間ですね」
腕時計を確認すると、センリは澄ました顔をして部屋を出た。
その様子を、割れた窓の外から一羽の鳩が見ていた。
今日もアルビス家は平和……だ。
「ウォォォォ!」
物凄い雄叫びと共に、屋敷中のガラスが一瞬にして割れ、飛び散った。
「ガルルッ……」
その飛び散ったガラスの破片の上に立つ、いシルエットは、悪魔。
まぁ、悪魔とはいえど、一番弱い下級悪魔なのだが。
「やれやれ……またですか」
悪魔の後ろから呆れ返ったような声。その声の主は、この屋敷の専属の執事であるセンリのものであった。
「静かにしてもらわないと困るんですよ。お嬢様が起きてしまう」
壁に寄り掛かって余裕の表情で言うセンリに、悪魔は激怒した。
「グオオオオッ!」
センリの頭を掴みに掛かるが、呆気なく食い止められてしまう。しかも、片手で。
「グルァァァァ!」
まるで馬鹿にされているかのように、それは一切動かなかった。それでも尚、悪魔は暴れ続ける。それを見て、センリは溜め息を吐く。
「往生際が悪いですね……」
センリのもう片方の手がポケットから“悪霊退散”と書かれたお札を取り出し、それを瞬時に悪魔の頭に投げ付けた。
「グオオオオ……! ガルルッ……ガルル……」
すると驚いたことに悪魔は白い煙となり、割れた窓から出て行った。
「ふぅ、片付きましたか。全く困りますね毎日毎日……」
そう言ってセンリは、悪魔が出て行った窓に目をやる。
「彼女から預かったものが、役に立ちましたね」
そう、今センリが悪魔に向かって投げ付けたお札は、ある人物からの貰い物。
「おや、そろそろお時間ですね」
腕時計を確認すると、センリは澄ました顔をして部屋を出た。
その様子を、割れた窓の外から一羽の鳩が見ていた。