世界を壊すのは
02話 お嬢様の起床
腕時計の長針がぴったり一二を指した時、勿論、三回ノックは忘れない。
「失礼します」
丁寧にドアを開けると、目に入るのは乱れた布団と、ベッドから落ちたと思われるリメルだった。
布団に関してはともかく、リメルについてはさすがに呆れる。なぜならベッドから落ちているのにもかかわらず、全く起きる様子がない。
センリは溜め息を吐き、床に寝転がっているリメルに近付いた。
「お嬢様、朝ですよ」
耳元でそっと囁くと、くすぐったそうな反応をし、よく分からない寝言らしき事を呟いた。
「ん……なぁ、ず」
「起きて下さい、お嬢様。起きないと今日のティータイムはなくなりますよ」
「それは……駄目だ」
ティータイムという単語に反応して、リメルことリメル・アルビスは起き上がった。
「おはようございます。では私はちょっとした後片付けがありますので、失礼します」
「何だ、僕が寝ている間にまた何かやらかしたのか」
「ちょっとした“虫”が入って来ましてね。少々部屋が汚れてしまったので」
センリは窓に目を向ける。
「そうか……」
同じようにリメルもその視線を追って、窓に目を向ける。
「では、失礼します」
そう言ってセンリは、リメルの部屋を後にした。
長い廊下の割れた沢山の窓ガラスの間を歩くセンリは、美しい絵になりそうだった。
「失礼します」
丁寧にドアを開けると、目に入るのは乱れた布団と、ベッドから落ちたと思われるリメルだった。
布団に関してはともかく、リメルについてはさすがに呆れる。なぜならベッドから落ちているのにもかかわらず、全く起きる様子がない。
センリは溜め息を吐き、床に寝転がっているリメルに近付いた。
「お嬢様、朝ですよ」
耳元でそっと囁くと、くすぐったそうな反応をし、よく分からない寝言らしき事を呟いた。
「ん……なぁ、ず」
「起きて下さい、お嬢様。起きないと今日のティータイムはなくなりますよ」
「それは……駄目だ」
ティータイムという単語に反応して、リメルことリメル・アルビスは起き上がった。
「おはようございます。では私はちょっとした後片付けがありますので、失礼します」
「何だ、僕が寝ている間にまた何かやらかしたのか」
「ちょっとした“虫”が入って来ましてね。少々部屋が汚れてしまったので」
センリは窓に目を向ける。
「そうか……」
同じようにリメルもその視線を追って、窓に目を向ける。
「では、失礼します」
そう言ってセンリは、リメルの部屋を後にした。
長い廊下の割れた沢山の窓ガラスの間を歩くセンリは、美しい絵になりそうだった。