夏男と夏子


それは、学校で見かけたあの女。


真っ黒な顔に浮き立つ、白目勝ちな大きな目。

きっちりと結ばれた、意志の強そうな口元。


あの時と違うのは……

躍動する肢体、眩しく光る汗、そして……

海というシチュエーション。


<ピィ~~>

「セットカウント 21-15、マッチウォンバイ湘南ボンバー!」


勝利を手に抱き合った二人の女を遠目に見ながら、俺の心臓はもう抑えきれないほど早鳴っていた。
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