夏男と夏子


「疲れただろぉ、チャーシューおまけだ!」


「おじさん、応援いつもありがとう!」


「なんのなんの、これでもおじさん、夏子ちゃん達のスポンサーだからなぁ」


――えっ?!


そういや、今頃気が付いた。

この海の家の名前。

何を隠そう「湘南ボンバー」だ。


「ほら、兄ちゃん、ぼっけっとしてないで、夏子ちゃん達に特製ラーメン運んで」


カウンターに置かれた、一回り大きい器に目を見張る。

そして、麺が見えないほどのチャーシューの大盤振る舞いにも。


――えっ?! これ全部食うの?


驚く俺を尻目に、夏子と相棒の結城里美は特製ラーメンを難なく平らげた。


――負けるぜ……


大食漢の割にスレンダーな彼女達のを見て、ビーチバレーとやらの運動量の多さを思い図った。

炎天下、あれだけ動けば腹も減るだろう。



それにしても、どこからどこまで真夏な女なんだ!
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