気持ちの先にあるもの
私の話を聞いた後、
先生は少し思い詰めた顔をして考えていた。そして、

「そういうことですか。。すみませんがみなさん少し別室についてきてもらえますか?お母さんはその間ここにいてもらえますか?」


「分かりました。。」

お母さんが頷くと椅子に座り春樹君の手を握った。

私たちも顔を見合わせた後頷いて先生の後に続いた。


来客室というのだろうか、きれいな部屋に通された。

「さっ、座ってください。すいませんね、呼び出して!」

そう言うと先生は腰をおろした。

私たちもそれに習ってソファーに座る。


「では少し質問させてくださいね!先ほども聞きましたが、春樹君は山村さんとの記憶だけ無くなっていると?」

私は大きく頷いた。

「じゃあ、次に山村さんと春樹君の思い出の品を春樹君が見た時に急に苦しみだしたと?」

私はまた頷いた。
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