気持ちの先にあるもの
「なるほど。ではその出会ってから今までの山村さんとの出来事の記憶だけが無くなってるんですね?」

この質問には3人そろって頷いた。


そして理恵が先ほどのアイデアを先生に提案し始めた。

「春樹君も思い出そうとして苦しんでると思うんです!やからもう1回なにか思い出を見せたら何かのキッカケで思い出すと思うんです。」


理恵の話を聞いて急に先生の口調が厳しくなった。


「そんな事をしては駄目です!そんな事を何回もしていたら春樹君の脳に障害が起きてしまう・・・はっ!!」

そこまで言うと先生は我に帰り、しまったという顔をした。

「先生、障害って・・何やねん?」

次は達也君が今にもキレそうな顔で聞き返した。


先生は少し考えた後、小さなため息をした。

「君達のためを思って伏せていたんだが。。しょうがないですね、単刀直入に言いましょう。」


これ以上、自分が傷つくのが怖い・・

知らぬ間に理恵のシャツをきつく握りしめていた。
< 109 / 136 >

この作品をシェア

pagetop