気持ちの先にあるもの
部屋に戻ってやっと一息つけた。

やっぱり乾いてる服は気持ちいい。

まだ外は雨が降っている、達也はこんな中来るんだろうか。

明日じゃあかんのか?

また理恵ちゃんとけんかでもして機嫌悪いんかな。

まだ雪江の泣き顔が頭に残っている。

そういえばあの子が泣いてるん初めて見たな。
いつも笑ってる印象しかないもんなぁ・・・
明日学校で会ったら気まずいなぁ。。

携帯を拭きながらあれこれ考えてみる、1番手っ取り早いのはこの機械で謝るんが1番なんだが。。

何で泣いたのかが分からないから謝りようがない。


まぁなるようになるやろ


だんだんめんどくさくなってきて携帯を放り投げた。

ピンポーン!!

チャイムの音が聞こえる。

達也かな?

部屋の窓から見下ろすと黒い大きい傘が玄関に立っていた。

「達也ぁ!!」

僕が声をかけると達也が見上げて一言、

「ちょっと降りてきてやぁ!!」

と叫んだ。
< 115 / 136 >

この作品をシェア

pagetop